蔵王山水苑に暮らす

まったく想像しなかった自然暮らしの生活。今では「ここにしてよかったね」が口ぐせです。

「温泉の効果なんですかね、夜もグッスリ眠れるんです。」

夜はカーテンを引かずに満点の星を窓越しに見ながら眠りにつき、森に差し込む陽射しの眩さに目を醒ますのが藤澤家の今のスタイルです。シカ、リス、ウサギなどの動物とのふれあいがごく当たり前に繰り返されるのも日常茶飯事、春には山菜、秋にはきのこ、採り方を覚えて作り方を覚えて食べ方を覚えたのも喜びのひとつだそうです。春は独創的に咲き誇る山桜。夏には幻想的なホタルの乱舞。秋には芸術的な紅葉。冬には神秘的な銀世界。ご主人も奥さまも、蔵王に抱かれたいまの生活を常に新鮮に捉え、感謝しながら、慈しみをもって堪能されているという印象を強く受けました。
それもそのはず、ご主人は看護師として、ケアマネージャーとして、医療の現場でご活躍です。同じ看護師だった奥さまと職場で知り合いご結婚、その後奥さまは主婦となられましたが、命の尊さや生命の偉大さを知り、分かり合えるご夫婦だからこそ、自然に寄り添ういまの暮らしが尚更心地よく思えるのでしょう。

「今日はこの後チキンの薫製でも作ろうかと思ってるんですよ。」

いまの暮らしに感謝し満足しながらも、藤澤さんにはすでに次の目標があるということをうかがいました。この地に住み、この地を愛する方ゆえの発想であろうその目標は、とても興味深いものでした。
「次の目標は仙台に別荘をもつことなんです」。
コンクリートの地面でずっと生活している人間にとって、自然に寄り添って生きることの素晴らしさを分かることは、決して容易なことではないのかもしれません。しかし藤澤さんの言葉の端々からその素晴らしさが伝わってくるのは、土の地面に根ざし、しっかりと地に足がついた方だからこそなのでしょう。
人間はついつい、楽なコト、便利なコトに身を置いてしまいがちです。でも、大変さの中や不便さの中に本当は大切なコトが隠されていることも知っています。それを探そうと思うかどうかで、人生はガラリと変わるもの。そんな思いを改めて抱かせるインタビューでした。
藤澤家に二人目の子どもが授けられ、四人と一匹で迎える藤澤家の山水苑生活三度目の夏。蔵王の自然は、この大切なコトを見つけたご家族に、今度はどんな幸せを届けてくれるのでしょうか。

ご家族も増え、これからますます楽しみな藤澤様ご一家でした