蔵王の大自然を馬と駆ける 乗馬クラブ「ホワイトストーン・ランチ」が創立20年

宮城県蔵王町の乗馬クラブ「ホワイトストーン・ランチ」が創立20年を迎えた。「気軽に楽しく」をモットーに、山道や川など蔵王の自然を自由に駆け回るカウボーイスタイルの乗馬が特徴だ。西田和之社長(65)は「今後も馬と共生したい人が気軽に集まり、蔵王の地域活性化につながる牧場にしたい」と意気込む。
 施設の敷地面積は約2万5000平方メートル。馬は北海道和種「道産子」とアラブ種との混合種など27頭で、西田さんらスタッフに加え、県内外の会員約50人が育てて管理する。1回だけの乗馬体験者も含め、年間約3000人が訪れ、馬との触れ合いを楽しんでいる。
 会員の1人で、仙台市青葉区の中学1年の酒井結希奈さん(13)は小学2年時に会員になり、ほぼ毎週末は施設に通う。家族と所有する「スノーリバー」と一緒に山や川を走る。「都会と違う蔵王の自然を馬と過ごすのは非常に楽しい」と笑顔を見せた。
 西田さんは福岡県出身。首都圏でサラリーマンをしていたが、幼少期から西部劇などを通して好きだった馬との生活を諦めきれず、妻の実家がある蔵王町で乗馬クラブを創設。「柵の中だけで動くのは面白くない」と、西部劇のように自由に自然を駆け回る乗馬スタイルにした。
 元々の名称は「ホワイトストーンライディングクラブ」。創立20年の節目を迎え、「馬好きが自分で育て、大自然を駆け回り、馬と共生する牧場(ランチ)」という西田さんが長年抱いてきた思いを表すため、今年4月に改称した。
 合わせて、施設を生かした地域活性化の取り組みを模索する。地元のスポーツクラブと協力し、乗馬体験会や観光コースに取り入れるなどして、蔵王への交流人口拡大を図りたい考えだ。
 「馬を通して蔵王の自然を気に入ってもらい、定住者が増える町にしたい」。西田さんは新たな夢を描く。
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202012/20201210_13021.html
山水苑日記 | 2020.12.23 08:00
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