『根返しの桜』

『根返しの桜』
円田の高山の道端には、「根返しの桜」と呼ばれる樹齢数百年の巨木があります。源頼朝の奥州平定の際、鎌倉から荷駄をひいてきた大牛が力つきてここで倒れました。兵たちがこれを哀れんで埋葬しようとしましたが、あまりにも巨体で運ぶことができず、道下に大穴を掘って牛を転がして埋め、その上に山桜を植えて目印としました。その山桜は、長い年月の間に墓に眠る牛のように大きく育ちました。土地の人々は、この桜を「牛桜」または「根返し(寝返し)の桜」と呼び、伐ればたたりがあると畏れ、大切に保護してきました。毎年、濃い色の花をつける名木で、蔵王町指定の天然記念物になっています。
ここは刈田嶺神社がある刈田岳への登り口でもあります。登山者に比較的優しい登山ルートとして初心者からベテランまで親しまれています。40分くらいで1785mの山頂にたどり着け、そこからは、蔵王火山の心臓部「御釜」を見ることができます。


山水苑日記 | 2012.04.09 10:40 | コメント(0)
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情報誌「やまぼうし」